そら空一人語り

(長い文章書きたいけどTwitterには課金したくないので)始めました。

あなたが見ていたものは一体何ですか?2/2

※この記事は「あなたが見ていたものは一体何ですか?1/2」の続きです。

必ずそちらを読んだ上でご覧ください。

p34ty.hatenablog.com

 

 

〇揺れるホンダとのつながり

 もう一つの問題となったのが、ホンダの育成プログラムとの兼ね合い。 マクラーレン時代もでしたが、ホンダはホンダでドライバー育成プログラムを行っており、スーパーフォーミュラではレッドブルとタッグを組み、ドライバー育成を実施していました。 そのため、レッドブル育成の中には「レッドブル/ホンダ育成」と呼べる存在のドライバーも何人かいました。 その最たる例が、角田裕毅と岩佐歩夢の2人でした。

引用元:AutoHebdo

 角田がレッドブル育成へ合流したのは2018年。この時ホンダ育成の「HFDP(ホンダ・フォーミュラ・ドリーム・プロジェクト)」にも加わりました。 翌2019年にはF1の下部カテゴリーF3へ参戦を開始。チームはイエンツァー・モータースポーツ。角田にとって初めての海外参戦でしたが、開幕戦を10位フィニッシュでポイントを獲得。第6戦のスパのレース2で2位フィニッシュ。そして第7戦モンツァではレース1で3位、レース2では優勝を決め、ランキング9位という成績を修めました。ちなみにこの年イエンツァーでポイントを獲得したのは角田のみでした。

引用元:Formula 2

 この成績が評価され、2020年はF2へ昇格。チームはかつて佐藤琢磨などが在籍した名門のカーリン。そこでもシーズン3勝を決め、ランキング3位で終了。この年のルーキー・オブザイヤーに選ばれました。 そしてスーパーライセンスポイント「25点」を貯めきり、翌年からのF1昇格を決めました。

引用元:motorsport.com日本語版

 対する岩佐がレッドブル育成となったのは2021年。その前年にHFDPに所属しフランスF4でチャンピオンとなり、F3へ昇格。チームはハイテックGP。 第4戦ハンガリーのレース1で優勝しましたが、それ以外はポイント圏内にギリギリ届かないレースもあったことから、ランキングは12位に。また、この年は、同じレッドブル育成だったプレマのデニス・ハウガーが、圧倒的な強さでチャンピオンになったこともあり、岩佐の存在感はそこまで強いものではありませんでした。 2022年はF2に昇格。チームはGP2やF3000時代から数多くのF1ドライバーを輩出したDAMS(ダムス)。しかしこの頃のチームは成績が下降気味で、組織としても立て直しの最中でした。

引用元:motorsport.com日本語版

 ところがシーズンが始まると状況が一変。F3チャンピオンのハウガーがランキング10位と苦戦する中、岩佐は2度の優勝を修めてランキング5位に。 チームメイトのロイ・ニッサニーも8回の入賞を決め、なんと最終戦アブダビでは2人でフロントローを独占しました。 チーム自体も前年のランキング8位から6位に。ポイントも前年からおよそ100ポイント増しという成績で見事V字復活。 翌年も岩佐はF2へ残留。相方はシャルル・ルクレールの弟アーサー・ルクレールとなりましたが、完全に圧倒。シーズン3勝を決めドライバーズランキング4位で終了。チームランキングも4位となりました。
 

引用元:Wikipedia Commons

 そんな中2024年は、活動拠点を日本へ移し、無限からスーパーフォーミュラへ参戦。初年度は未勝利でランキング5位となりましたが、今年は2勝を挙げてみごとシリーズチャンピオンになりました。 一方でレッドブル育成プログラムとして、レーシングブルズのマシンをテスト。加えてシミュレータでのテストにも参加し、マシン開発にも携わりました。
 と、こういった形でF1までのキャリアたどってみましたが、この2人について見てみると、異なったタイプのキャリアを経ているのがわかるかと思います。 角田は短期間で一貫したパフォーマンスで己のキャリアを切り開いていったのに対し、岩佐は複数年同じチームに在籍し、チームと共に強くなっていくといった形で成績を残していきました。  では、こういったドライバーが当時のレッドブル育成にどれくらいいたのか。
 角田に関してはホンダからのバックアップもありチーム内での政治的立場も比較的優位な立ち位置。また同じ時期にF2へ参戦していたレッドブル育成の数が少なかったこともあり、スムーズにF1へ昇格を果たせました。 そして岩佐もレッドブル育成でありながら、ホンダからの支援も受けている立場、しかし2025年をもってホンダとの関係が終わってしまう。
 そしてこの間にから多くのレッドブル育成がF2へステップアップしていきましたが、最終的に生き残ったのはリアム・ローソンとイザック・アジャーの2人のみ。(一名は差別的発言が原因で「解雇」)残りのドライバーはパフォーマンス不足や、他のカテゴリーへ進路を見出し、皆育成プログラムから外されていきました。


 言葉を選ばすに言うなら、この2人のドライバーはレッドブルにとって「扱いの難しいドライバー」となったのでした。

 

 

レッドブルの希望

 そんな中レッドブル育成にF1へ手が届く、待望の若手が現れました。

引用元:motorsport.com日本語版

 それがイギリス出身のアービッド・リンドブラッド。 今年で18歳となる彼は、現在F2に参戦していますが、実は参戦前の時点でスーパーライセンスが発行可能な状態であり、シーズン内で2勝を修め、ランキング6位に位置しています。

 

 すでにもう一人のレッドブル育成だったペペ・マルティはフォーミュラeに活動を移しており、レッドブル内でF1に送り出せる唯一のドライバーとなっています。

 

 これでもし、スーパーライセンスポイントが足りていなければ話が変わっていきますが、そこに問題がないのなら、レッドブル側からしたら送り出さない理由はないと思います。 そして先述の通り、来年からはホンダの支援が終わります。ともなれば、あの2人を放出してしまうのも十分あり得た話です。
 しかし、角田には世界中のファンやF1コミュニティ内の存在感が、岩佐はマシン開発能力が備わっており、むやみに切り捨てるわけにはいかなかったのかなと、個人的には推測しています。

 

 ただ正直なところ、どちらかとホンダ側からの支援が強く印象されていた岩佐については、今年限りでレッドブルから放出されてもおかしくないと思っていたので、今回の人事についてはとても驚きました。
 むしろ、これから関係がなくなるメーカー出身のドライバーも引き取ってくれるなんて、レッドブルさん優しすぎませんか…?しかもあんな別れ方したのに…。 

 私だったらバイバイしてるかも()

 

 

〇今後の二人

 さてここからは来期以降の2人についてですが、ひとまずはリザーブ兼テストドライバーとなったわけですが、どちらも今の段階で先を予測するのはあまりにも時期早々と言わざるを得ません。

 

 まず来シーズンからF1は大幅なマシンレギュレーションの変更を予定しており、車体だけでなく、エンジンについても12年ぶりの改定となります。

 そのため現在の序列が大幅に変わる可能性はもちろん存在します。特にレッドブルについては来シーズンから完全に自家製のPUを用いることになり、車体設計も初めてエイドリアン・ニューウェイが完全に抜けた状態でスタートします。

 そしてドライバーについても昇格した2人が期待通りのパフォーマンスを発揮できなければシーズン途中に解雇される可能性もありますし、絶対的なエースのマックス・フェルスタッペンが離脱する可能性だって残されています。

 

 そして忘れてはいけないのがホンダ、そして提携先のアストンマーティンF1の存在。

 アストンマーティンについてはドライバーラインナップをフェルナンド・アロンソランス・ストロールの両名で続投することを決めていますが、アロンソについては今年の早い段階から、来シーズンいっぱいでの引退を示唆するなど、こちらのチームでのドライバー人事に動きがある可能性も残っています。

formula1-data.com

 またアストンマーティンも育成プログラムを開始しており、すでにジャク・クロフォードが「サードドライバー」として契約しており、アロンソかストロールのシートの枠に収まることだって考えられ、そうなった場合シート争いは必然です。

formula1-data.com

 以上のことからも、来シーズン以降の2人の動きは極めて先行き不透明であり、現段階で一喜一憂する必要はないように思います。

 というか昔から、資金援助などの面で若手ドライバーが起用されずに、経験のあるドライバーが起用される例は結構あるので、何を慌ててんだって感じです。

 現に2度のインディ500ウィナーの某佐藤琢磨さんとか、今年初めてポディウムフィニッシュを決めた某ニコ・ヒュルケンベルグさんとか…。探せばいっぱいいます。

 

 

〇あなたが見ていたものは一体何ですか?

 というわけでここまで、美味しんぼのラーメンハゲみたいにネットに転がっている情報をつらつらと書いて行きましたが、ここからが本題です。

 2年前にも私はこんな記事を書いていました。

p34ty.hatenablog.com

  

 そこでも触れましたが、最近のモータースポーツ界隈の中において所謂「推し活」の延長か同じようなノリでモータースポーツを見ている人が増えたように感じます。

 現にスーパーフォーミュラはこの流れをうまく活用し、なんなら皇室も巻き込んで(!?)新規ファンの獲得に見事に成功しました。

引用元:SuperFormula 公式HP (画像は2023年版)

 このビジネススタイルについては否定はしませんですが、色々とどうなんだろうかと気になるところがあります。

 私個人が最も懸念しているのは「推しのドライバーが活躍できない事実に業を勝手に煮やした人が暴走しないか」ということ。

 

 先のブログでも触れていますが、過去には暴走したファンがSNS上で誹謗中傷を繰り広げたり、海外では暴動にまで発展するなど地獄絵図になった事例が複数あります。

 今もたまに荒れたりしますが、ここまでの事案になってないのはたぶんない(はず)。

 

 ではここからは私からの本音を。

引用元:モビリティリゾートもてぎ公式HP

 モータースポーツって野球やサッカーなどど比べると、とにかく敷居の高いスポーツです。体育の授業で触れませんし、毎日のニュースで見られるものでもありません。今でこそ、日本語実況付きの無料放送も増えていきましたが、ほんの5年前は有料のCS放送やネット配信。無料だけど英語のみのものがあるなど、手軽に楽しめるものではありませんでした。そうやって考えると結構見るのも楽になったなーと思います。

 また観戦のハードルは低くなりましたが、基本的に車やバイクを使うスポーツなことに変わりはないので、ある程度そのそれらについて知識がないと、全くついていけないということには変わりありません。で、ある程度知識を備えても、他のカテゴリーを見るとその知識が使えなくて、また一からやり直しというのが日常です。

 かく言う私も4輪ならある程度自信がありますが、2輪になるとミジンコ以下です👼

 現にSuperGT GT300クラスとGTWCでは同じFIA-GT3という規則のマシンを使えますが、両者にはタイヤに関するレギュレーションをはじめ、決定的な違いが複数存在します。それらを理解していない状態で色々言うと、ハチの巣にされかねません。

 それはF1も同じです。75年という歴史のなかで様々な出来事があり、様々な出来事がありました。それら経て飽きた人はいつの間にか見なくなり、取りつかれてしまった人は永遠と追いかける。

 それらのバックボーンを理解して初めて理解できるものが出てくるはずです。

 

 「推しのドライバーができた!」

 

 それはあくまでも入口に立ったに過ぎません。

 そこから先この世界を追いかけるには、その装備だけでは戦えません。

 そして見ているカテゴリー「だけ」ではありません。

 

 良きモータースポーツ観戦ライフを。